2008年06月08日

構図を考えてみよう

美しい景色に感動して、デジカメでパチリ「と撮影しても、プリントしてみてガッカリ、なんて経験はありませんか?自然の雄大な雰囲気も、カメラの枠で切り取ってしまうと、なんだかその良さが半減しちゃうなんてことありますよね。プロの写真家の作品を見ると、素晴らしい構図で、対象の魅力を写し出しています。どうすれば、そんな「いいナー」と思える写真を撮ることができるのでしょうか。

カメラの本とか読むと「構図の取りかたを良く考えて」ということが書かれてあります。そうか、構図かと思っても、一体何がいいやらどこが悪いやら。構図の良し悪しなんて中々ピンときませんよね。

ある本を読んでいると、自分がいいと思う構図で描くのが結局は良かったりする、みたいなことを書いていたんですが、それって「結局はセンスの問題だよね」って話でしょう。そんなことを言ってたら身もフタもなくなっちゃうので、ここでは構図を考える手がかりとなるものをご紹介しようと思います。

 まず構図の意味を広辞苑で引いてみると、意味のひとつに「絵画・写真などで芸術表現の要素をいろいろに組み合わせて、作品の美的効果を表す手段」とあります。過去の作品を解析したりして、こうしたら良く見えるという一種の経験則のようなものです。

 今回は、その代表的なもの「3分割法」を紹介したいと思います。これは、画面の上下左右を三分割して四つの交点を作ります(図1)。この四つの交点が重要なポイントです。さらに、四隅と交差する対角線に補助線を引きます(図2)。こうして出来た線や交点、図形を参考にしながら構図を考えていきます(図3)。

 ポイントは、3分割法の真ん中に出来た長方形の四隅と補助線との交点(図2の○の部分)に、画面内の主要な要素が引っかかるようにして構図を決めると、適度な動きを伴ったバランスの良い構図を作ることが出来るといわれています。 

(図1)画面の3分割
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(図2)図1に補助線を加えたもの
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(図3)
構図を考えてみよう


 これは、構図になじみのない人が、画面の中央に配置したがるクセを直したり、中央からちょっとズレた構図の練習にも使えるものですし、この手法を利用した画家も多いといわれています。

また、画面を3分の2で区切った場合、その比率は黄金比に近くなります。黄金比とは、長方形の短辺と長辺が、最もバランスのとれた比率のことで、「最も安定して美しい比率」と言われています。このときの短辺と長辺の比率は、1:0.618となります。これに対して3分の2は、1:0.6666と黄金比に近いため、画面に黄金分割の補助線を引いて、それを頼りにものの配置を決めるだけでもそれらしくなるのです。

 では、具体的に見ていきましょう。図1は、画面を3分割したもので、図2は補助線を引いたものです。この線や交点などに、主要な要素がひっかかるようにして構図を決めていきます(図3)。絵画のピーテル・ブリューゲルの作品に3分割線を引いてみましょう(図4~図5)。彼が黄金比を意識して描いたか、きちんと調べることができてはいないのですが、水平線や人の配置など、あてはまる点があると思います。
まあ、ほんとは写真で説明したほうがいいんでしょうけど、他で書いた記事そのまま持ってきてますので(すみません)。
時間ができれば写真に替えておきたいと思います。

また、余談ですが、名刺サイズやカメラ、タバコ、i-podなども黄金比でデザインされものなんですよ。


(図4)イカロスの墜落のある風景
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(図5)怠け者の天国
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(図6)バベルの塔
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もちろん、機械的にこれにあてはまる作品をつくればいいというわけではありません。
自分なりにどんな構図が良さそうに感じるのか、その叩き台にするといいと思うのです。例えば、不安定な中に動きを見出したい場合や、なにか違和感を感じさせたい時など、黄金比でピタッと描くより、ちょっと崩した方がいいかもしれません。そんな風に、自分の意図に応じて、いろいろ工夫するといいのではないでしょうか。
    


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Posted by kenpyon at 01:01 │Comments( 0 )
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